あなたはお腹が空いたときに何を食べますか?パンやお菓子などの糖質が多いものを食べると、すぐにまたお腹が空いてしまうことはありませんか?それは、人間の空腹を満たすのは糖質ではなく、タンパク質だからです。
この記事では、タンパク質が空腹を満たす理由と、手軽なタンパク質の摂り方を紹介します。タンパク質を上手に摂ることで、食べ過ぎを予防し、太りにくい体を作ることができます。
人間の空腹を満たすのはタンパク質である
人間は元々狩猟生活をしていた時代が長く、肉食がメインの食生活をしていました。そのため、人間にはタンパク質を欲する本能があります。
タンパク質は筋肉や骨、皮膚などの体の組織を作るだけでなく、ホルモンや酵素などの生体物質の材料にもなります。タンパク質は体内で合成できない必須アミノ酸を含んでおり、食事から摂る必要があります。
タンパク質は消化に時間がかかるため、満腹感が長く続きます。また、タンパク質は血糖値の上昇を抑える効果もあります。タンパク質を積極的に摂ることで、空腹を満たし、健康的な体を維持することができます。
炭水化物などの糖質では空腹は満たされない
一方、糖質は消化が早く、血糖値を急激に上げることがあります。血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌されて、血糖値を下げようとします。しかし、インスリンは糖質を脂肪に変えて蓄える作用もあります。そのため、糖質を食べると太りやすくなります。また、血糖値が下がると、再び空腹感が襲ってきます。このように、糖質を食べると空腹のサイクルが繰り返されることになります。
糖質には中毒性がある!?
さらに、糖質には中毒性があるという研究もあります。糖質を摂ると、脳の快楽中枢にある「ドーパミン」という神経伝達物質が放出されます。ドーパミンは快感や満足感を与える物質ですが、糖質を摂り続けると、ドーパミンの受容体が減少し、同じ量では満足できなくなります。そのため、糖質を摂る量が増えていくという中毒状態に陥ります。
健康に悪影響を及ぼす「糖化」
糖質はまた、糖化という現象を引き起こすこともあります。糖化とは、糖分が体内のタンパク質と結合して、老化や病気の原因となる物質を生成することです。糖化は、肌のシワやシミ、動脈硬化や糖尿病などのリスクを高めます。このように、糖質を食べると空腹は満たされず、太りやすくなり、健康にも悪影響を及ぼします。
手軽なタンパク質の摂り方
では、どのようにしてタンパク質を摂ると良いのでしょうか?ここでは、手軽にタンパク質を摂る方法を二つ紹介します。「安さ」をとるか、「手軽さ」をとるかです。
食事に鶏胸肉を一口だけ追加しよう
鶏胸肉は低カロリーで高タンパク質の食材です。しかも、だいたいどのスーパーでも最も安価な部類の肉です。この鶏胸肉を食事に一口だけ追加するだけで、簡単にタンパク質の摂取量を増やすことができます。鶏胸肉は、厚さ1センチくらいに切って冷凍保存しておきましょう。食事の時に一つ取り出してレンジで加熱して食べるだけです。味付けは自由ですが、塩分や油分は控えめにしましょう。鶏胸肉は噛む回数が多くなるので、満腹中枢に刺激を与える効果もあります。保存する時にひと手間かかりますが、いつもの食事に、良質な動物性たんぱく質を追加することができます。
食事にプロテインを追加しよう
プロテインはタンパク質の粉末状のもので、水や牛乳などに溶かすだけで飲むことができます。プロテインはタンパク質の摂取量を手軽に増やすことができます。プロテインは食前に飲むと、食事の量を減らすことができます。また、食事中に飲むと、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。プロテインは種類や味が豊富にありますが、砂糖や添加物が少ないものを選びましょう。ただ、プロテインは液体に溶かして飲むものなので、中にはプロテインを飲むのが苦手という人もいるでしょう。その場合は、先に紹介した鶏胸肉の方を検討してみてください。
タンパク質の過剰摂取には注意
タンパク質は空腹を満たす効果がありますが、過剰に摂ると腎臓に負担がかかることがあります。腎臓はタンパク質の代謝に関わる臓器ですが、タンパク質の摂り過ぎは腎臓の働きを低下させる可能性があります。特に、腎臓の機能が低下している人や、高血圧や糖尿病などの病気を持っている人は注意が必要です。ただ、過剰摂取が体に悪いということは、どんな食べ物にも言えることであるため、常に気を付けておきましょう。
タンパク質の摂取量の目安
一日にタンパク質を摂取する量は、体重1kgあたり1g程度が目安です。体重50kgの人であれば、タンパク質50gが一日の摂取量の目安となります。
この目安は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づいており、普段激しい運動をしていない方のタンパク質の摂取量の目安を示しています。もちろん、個人差や活動量によって必要な量は変わりますので、あくまで目安として考えてください。
また、プロテインの場合は、パッケージに飲み方が記載されているので、用法用量を守って正しく活用しましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
まとめ
この記事では、タンパク質が空腹を満たす理由と、手軽なタンパク質の摂り方を紹介しました。タンパク質は人間の本能的な欲求であり、消化にかかる時間も緩やかで、血糖値の上昇を抑える効果があります。そのため、タンパク質を摂ることで、空腹を満たし、食べ過ぎを予防し、太りにくい体を作ることができます。一方、糖質は消化が早く、血糖値を急激に上げ、脂肪に変わりやすく、中毒性があるというデメリットがあります。そのため、糖質は控えめにしましょう。
タンパク質の摂り方は、鶏胸肉やプロテインを食事に追加することで簡単に摂ることができます。ただし、タンパク質の過剰摂取には注意が必要です。タンパク質の一日の摂取量は、体重1kgあたり1g程度が目安です。タンパク質はバランスよく摂ることが大切です。
この記事のポイントをまとめると、以下のようになります。
- タンパク質は消化が緩やかで「満腹感」が持続する
- 炭水化物は脂肪がつきやすく中毒性があり「空腹感」も消えにくい
- 楽なタンパク質の摂り方は、鶏胸肉やプロテインを食事に追加すること
- タンパク質の過剰摂取には注意すること
タンパク質は空腹を満たすだけでなく、健康や美容にも良い影響を与えます。タンパク質を上手に摂ることで、食べ過ぎ予防と太らない秘訣を手に入れましょう。この記事があなたの健康的な食生活の参考になれば幸いです。