家計簿が続かない。
そう感じている人は多いと思います。
でも、続かない理由は「記録が面倒だから」ではないのではないか、というのが今回の話です。
私自身、記録そのものは大した負担ではありません。難しいのは、まったく別のところにありました。
記録は、毎日やる方が実は楽だった
私の場合、記録するのは主に生活費の支出です。
帰宅後、その日の買い物のレシートの金額を家計簿アプリに入力する。それだけです。
始めたばかりの頃は、毎日やるのが面倒だからと、レシートを1週間分や1か月分ためておいて、後からまとめて入力していた時期がありました。
でも、これが大変でした。
一度に処理する量が増えるので、作業として重くなりすぎるのです。
結局、毎日入力するのが一番楽だという結論になりました。
しかも、毎日買い物をするわけではないので、実際に記録するのは週に1、2回程度です。
面倒を避けようとした方法の方が、かえって面倒だったわけです。
自動化せず、あえて手を動かしている
家計簿アプリへの入力を自動化する手段もあります。
でも私は、手入力を続けています。
一つには、現金払いが多いという事情があります。個人経営の居酒屋、パン屋、花屋、医療費、習い事の会費など、現金でのやりとりは意外と残っています。
ただ、理由はそれだけではありません。
クレジットカードは、よく「魔法のカード」と言われます。財布から現金を数えて支払う行為がないぶん、お金を使っている実感が薄くなるからです。
だからこそ、せめて買い物のあとにレシートを確認し、その日の金遣いを具体的に把握しておきたい。
少し保守的かもしれませんが、この一手間が倹約意識を保ってくれていると感じています。
ちなみに、口座間の資金移動も自動化していません。
給料日に、給与口座から生活費の口座へ定額を振り込む。住宅ローンの返済口座へも振り替える。これらは毎月、手動でやっています。
自分の手でお金を動かすこと自体が、家計の状態を確認する機会になっています。
本当に難しいのは、予算をいくらにするか
さて、ここからが本題です。
家計簿をつけること自体は、慣れてしまえば大した作業ではありません。
本当に難しいのは、その家計簿で管理する予算をどう決めるか、です。
たとえば食費。スーパーでの買い出しや外食を含めて、月にいくらにするのか。
この金額を決めるのが、今でも難しいと感じます。
現実的に無理な金額を設定しても意味がありません。守れない予算は、単なる数字でしかないからです。
かといって、余裕を持たせすぎるのも問題です。
支出は、収入に達するまで膨張する
なぜ、余裕を持たせすぎてはいけないのか。
人間には、与えられた予算をきっちり使い切るように行動してしまうクセがあると言われているからです。
これは「パーキンソンの第二法則」と呼ばれています。支出の額は、収入の額に達するまで膨張する、というものです。
つまり、予算に余裕を持たせすぎると、その余裕の分だけ、恒常的な無駄遣いが発生する可能性が高くなります。
これでは倹約になりません。
だから予算とは、人間のこのクセを前提にした上限設定なのだと思っています。
今週は外食をやめておこう。この食材のストックは今は要らないな。
そう意識すれば超えないだろう、というちょうど良いラインを見つけること。これが一番難しい部分です。
特に、友人や子ども関係の付き合いが多い家庭では、突発的な出費も増えるので、さらに難易度は上がると思います。
ボーナスは、ないものとして考える
予算を組むうえで、私が決めているルールがあります。
毎月の収入だけで予算をつくること。ボーナスは加えません。
ボーナスは幻です。ないものとして扱っています。
実際、私の場合は全額を投資に回しています。
ボーナスを前提に予算を組んでしまうと、それが減ったときに家計が一気に苦しくなります。変動する収入を土台にすると、家計そのものが不安定になるのです。
毎月必ず入ってくるお金だけで生活が回る状態。これを基本形にしておきたいと考えています。
予備費という枠を持つ
もう一つ、我が家の家計で重要な役割を果たしているのが「予備費」です。
毎月、一定額を予備費として積み立てています。
新しく増える習い事の月謝、光熱費の増加、旅行費用、家電や家具の買い替え。
こうした毎月のランニングコストの増加や特別な支出は、すべてこの予備費の中から検討します。
ここで大事にしているのが、線引きです。
家計の支出は、家計用に積み立てた予備費から出す。個人の貯金や投資資産を、家計の予算に充てることはしません。
この境界を曖昧にすると、家計の実力以上の支出が通ってしまうからです。
予備費でまかなえないなら、それは分不相応
そして、この予備費には判断基準としての役割もあります。
新しい支出を予備費でまかなえないのであれば、それは我が家にとって分不相応な支出だと考えます。
たとえば、子どもが新しい習い事をやりたいと言ったとします。予備費で足りないなら、却下するか、他の習い事をやめて枠を確保するしかありません。
旅行も同じです。分不相応な高額の旅行はしません。もしやるなら、年間の回数を減らして調整します。
やっぱり必要だから、と言って予備費でまかなえない予算を組んでしまえば、家計は少しずつ崩れていきます。
そして家計の崩壊は、家庭の崩壊につながり、やがて家族の崩壊にもつながりかねません。
自分の家計に相応しい支出はどこまでか。それを常に意識しておくことが、見栄の消費や無駄遣いを防いでくれます。
予算に完成形はない
もう一つ、大切だと思っていることがあります。
予算は、最初から最適な金額を設定できるはずがない、ということです。
だから、一定期間ごとに予算と実績を比べて、実態に合った金額へ見直していきます。
そしてこれは、1年かけて完成させるという話ではありません。
昇進、転職、結婚、出産、子どもの成長。ライフステージや家庭環境は、常に変わっていきます。
環境が変われば、収入も支出も変わります。
だから予算も、その変化に合わせて組み直し続ける必要があります。
家計管理は、一度作って終わりではなく、更新し続けるものだと考えています。
オーバーした月こそ、記録を残す
原則として、例外対応はしません。
予算をオーバーしてしまった月も、しっかり家計簿に記録を残します。
オーバーしたから記録をやめる、なかったことにする。これをやってしまうと、実態がわからなくなります。
見直しの材料になるのは、うまくいった月の記録だけではありません。むしろ、超えてしまった月の記録の方が、予算設定の改善には役立ちます。
最後に効いてくるのは、生活水準を上げないこと
ここまで色々書いてきましたが、家計管理で最も気をつけるべきことは、実はシンプルです。
生活水準を上げないことです。
収入が増えるにつれて生活水準を上げ続けてしまうことを、ライフスタイル・クリープと言います。
これの危険なところは、一度上げた生活水準は元に戻せないという点にあります。
しかも、上げた水準にはすぐ慣れてしまい、さらに上を求めるようになります。そしてそれが叶わないと、今度は不満が溜まっていきます。
幸福を求めて生活水準を上げた結果、かえって不幸になってしまう。そんなことが起こり得るのです。
何をもって生活水準を上げたことになるのかは、議論の余地があると思います。
ただ、基本的な考え方はこうです。同じ役割を果たすものなら、高価である必要はない。
一皿100円の回転寿司で満足できる人が、わざわざ高い寿司を食べる必要はまったくないということです。
もし生活水準を上げるのであれば、後戻りができないことを十分に覚悟したうえで決めるべきだと思っています。
まとめ
家計簿が続かない理由は、記録の面倒さではないと思っています。
記録は、毎日こまめにやる方がむしろ楽ですし、慣れれば大した負担にはなりません。
本当に難しいのは、予算をいくらに設定するかです。
厳しすぎれば守れず、緩すぎれば使い切ってしまう。支出は収入に達するまで膨張するというクセが、人間にはあるからです。
だから、ボーナスは当てにせず、毎月の収入だけで予算を組む。特別な支出は予備費の枠内で判断し、まかなえないものは分不相応と考える。
そして予算に完成形はありません。環境の変化に合わせて、更新し続けるものです。
最後に効いてくるのは、生活水準を上げないこと。
家計を管理することは、節約のためというより、快適な人生の基盤を守るためのものだと考えています。
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