株価が下がり続けると、不安になります。
含み益が減り、やがて含み損になる。「このまま持ち続けていていいのか」という気持ちが湧いてくる。これは、長期投資をしている人なら誰もが経験することです。
でも私は、そのとき真っ先にやるべきことは、株価のチェックではないと思っています。
含み損は、幻である
まず前提として、一つの考え方を共有します。
「含み益は幻。利確しないと意味がない」という言葉をよく聞きます。
でも私の感覚は逆です。
売却しない限り、含み損も幻です。現実にはなりません。減った含み益も、拡大した含み損も、売却して初めて現実になる。売らない限り、それは画面の中の数字に過ぎません。
長期投資を始めたのは、幻の損失を確定させるためではありません。未来の大きな含み益を得るためです。だから、下落したからといって売却することは、そもそも目的と矛盾しています。
株価や資産評価額のチェックは、何も変えない
では、なぜ人は株価や資産評価額が気になってしまうのか。
それは、見ることで何かが変わると思っているからかもしれません。でも現実には、チェックしたところで、何も変わりません。
株価が上がっていれば少し安心する。下がっていれば不安になる。資産評価額が減っているのを見れば、気分が落ちる。それだけです。
特に資産評価額のチェックは、株価チェック以上にメンタルへのダメージが大きい。「株価」は相場全体の動きですが、「資産評価額」は自分のお金が減っている現実として目に入ってくるからです。
一喜一憂に使った時間は、何も生み出しません。むしろ、不安を増幅させるだけです。だから私は、大きな下落時には資産評価額を意識的に見ないようにしています。
ただし、ポジティブな目的があるなら見ていい
とはいえ、株価を一切見ないというわけではありません。
私がチェックするのは、買い増しのチャンスが来ているかどうかを確認するときです。下落しているということは、同じ金額でより多くの口数を買えるということでもあります。これは長期投資家にとって、ポジティブに捉えられる側面です。
下落のメリットを一つでも持っておくことは、不安を和らげる一助になります。少額でもいいので、買い増し資金を手元に残しておくことをおすすめします。
そして、下落から回復して最高値を更新してきたタイミングでは、改めて資産額をチェックして、目標までの進捗を確認したり、生活の計画を見直したりするのに適しています。上昇局面で未来を考える方が、希望を持って楽観的に計画できます。
事実として回復・上昇しているなら、できるだけ楽観的に生きた方が楽だし、気分がいい。人生を楽しく過ごすには、事実に基づいたメリハリのある楽観性を持つことが大切だと思っています。
趣味を楽しむことが、最強の対策である
株価の不安とどう向き合うか。
私が一番効果的だと思っているのは、趣味を楽しむことです。
不安を論理で取り除こうとするより、楽しいことで上書きしてしまう方が、人間の感情としてはずっと自然です。
好きなことに熱中しているとき、人は株価のことを考えません。次の旅行の計画を立てているとき、好きなゲームに没頭しているとき、友人と食事を楽しんでいるとき。そういう時間の中に、株価が入り込む余地はありません。
熱中できる趣味があれば、株価チェックより趣味に時間を使いたいと自然に思えるようになります。これが、長期投資を続けるための、最も人間らしいメンタル管理術だと思っています。
なお、投資の不安を根本から取り除きたい場合は、長期投資の名著を一冊読むことも有効です。知識がリスク許容度を高めてくれます。→(内部リンク:投資を始めたいなら、まず1冊の本を読んでほしい)
そもそも、資産形成は何のためにあるか
ここで、一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
そもそも、なぜ資産形成をしているのか。
人生を快適に楽しむための土台を作るためではないでしょうか。
だとすれば、趣味を楽しむ時間を犠牲にして、株価チェックに時間を使うことは、本末転倒です。資産形成は手段であり、人生を楽しむことが目的です。その目的を後回しにして、手段に振り回されている状態は、何かがずれています。
定期積立投資の設定をしたら、あとは現実の自分の人生を楽しむ。それがシンプルな結論です。
航路を守りながら、人生を楽しむ
長期投資家がやることは、実はとてもシンプルです。
決めたルール通りに積立を続けること。それだけです。
下落したときも、上昇したときも、やることは変わりません。相場を見て判断する必要はないし、株価に一喜一憂する必要もない。
その代わりに、自分の人生を楽しむことに時間を使う。好きなことをして、やりたいことをやって、大切な人と過ごす。
資産形成はその土台を静かに育てながら、人生の主役はあくまで自分の日常にある。そう思えると、株価が下落したとしても、焦る気持ちはずいぶん和らぎます。
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