高級車に乗っている人。広い家に住んでいる人。ブランド品を身につけている人。
そういう人を見て、羨ましいと感じたことはありませんか。そして、それに比べて自分が惨めに思えてしまう。そんな気持ちになったことがある人は、少なくないと思います。
でも私は、あるとき少し変わった考え方をするようになって、その羨ましさがすっと消えました。今日はその話をします。
お金持ちは、社会を支えてくれている
まず、一つの事実から考えてみます。
お金持ちは、収入が大きい分、たくさんの税金を納めています。
実際、内閣府の試算などを見ると、ある程度の収入がある層が多く負担し、それによって社会保障や公共サービスが支えられているという構造が見えてきます。平均的な収入の人が納める税金だけでは、その人が受け取っている公共サービスを賄いきれないという側面もあるようです。
私の収入は、決して高い方ではありません。だから、自分が納めている税金に対して、警察や道路や医療といった日本のインフラを、かなり割安に使わせてもらっている感覚があります。
そして、その差額を埋めてくれているのが、たくさん納税してくれているお金持ちの人たちなのです。
少し想像してみてください。もし、すべてのお金持ちが贅沢や消費を一切やめて、庶民と同じように質素な生活を始めたらどうなるか。
個人消費は大きく減り、高級品を扱う企業の売上は落ち、経済全体が縮んでいきます。失業者が増え、税収も減り、やがては私たち庶民が使っている公共サービスの質も保てなくなる。場合によっては、庶民の税負担がもっと重くなるかもしれません。
羨ましさが、感謝に変わる
こう考えるようになってから、お金持ちを見たときの感情が変わりました。
高級車や高級品を持っている人を見ると、こう思うようになったのです。
「たくさん納税してくれて、ありがとう」と。
あなたたちのおかげで、私たちは日本のインフラを安心して使えています。自分は多額の納税はできないので、本当に助かります。そんな感謝の気持ちです。
お金があるなら、もっと消費してほしいとさえ思います。誰かが消費すれば、経済が回り、社会が発展し、巡り巡って私たちの暮らしも良くなっていく。
そう考えると、お金持ちの贅沢を、羨ましいとは思わなくなりました。
そもそも、比較の対象にしているのが問題
もう一つ、大切な気づきがあります。
お金持ちを羨ましいと感じてしまうのは、その人を「自分と同じ人間」として見ているからです。
同じ人間だと思うから、比較してしまう。比較するから、あの人の方が優れている、自分は劣っている、と落ち込んでしまう。
でも、こう考えてみたらどうでしょう。
お金持ちを一人の人間としてではなく、「経済を回し、庶民の代わりに多くの納税をしてくれる、社会構造の一つ」として捉えてみる。
そうすると、そもそも比較の対象ではなくなります。
例えば、日向ぼっこをしている猫を見て、「好きなことだけして羨ましいなあ」と本気で落ち込む人は、あまりいないと思います。なぜなら、猫は自分と比較する対象ではないからです。
それと同じです。お金持ちを社会構造の一部として概念的に捉えれば、比較対象から外れる。比較しなければ、羨ましいという感情も湧いてこないのです。
上には上がいる、という事実
さらに、もう一つの角度から考えてみます。
都内の高級住宅街に立派な家を買った人がいるとします。すごいことです。でも、アラブの石油王から見れば、それはちょっとした買い物くらいのものかもしれません。
日本でどれだけお金持ちに見える人でも、世界で見れば、上には上がいます。
そして、その構図は誰の上にも続いています。高級車に乗って羨ましがられているお金持ちも、さらに上の富裕層が持つ豪華なクルーザーを見て、羨ましいと思っていたりするのです。
つまり、羨望には終わりがありません。上を見続ける限り、満たされることはない。そう気づくと、誰かと比べて羨ましがること自体が、少し馬鹿らしく思えてきます。
羨ましさは、他人視点で生きているサイン
ここまで考えて、私はあることに気づきました。
他人の贅沢を羨ましいと思っているとき、私たちは他人に振り回された人生を生きています。
あの人が持っているから欲しい。あの人より劣って見えるのが嫌だ。それは、自分の基準ではなく、他人の基準で自分を測っている状態です。つまり、他人視点の人生です。
本当に満たされた気持ちは、他人との比較からは生まれません。自分の考えに基づいて、自分視点で生きることでしか、続く満足感や幸福感は得られないと思っています。
羨ましくなったら、こう考えてみる
もし、お金持ちの贅沢を羨ましいと感じてしまったときは、少しいじわるかもしれませんが、こう考えてみてください。
「私たちのために、たくさん消費して、たくさん納税してくれてありがとう。私はやらないけどね」
「経済を回して、日本を豊かにしてくれてありがとう。その役割は、お任せします」
「私は、自分と大切な人の幸せのためだけに、お金を使いますね」
少し冗談めかしていますが、こう考えると、不思議と羨ましさが消えていきます。そして、他人視点の人生から、自分視点の人生へと、一歩踏み出すきっかけになるかもしれません。
羨ましさは、消そうとして消えるものではありません。でも、見る角度を変えるだけで、自然と気にならなくなることがあるのです。
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