「DIE WITH ZERO」という本があります。
資産を使い切って死ぬのが、最も効率的に人生を楽しむ方法。そんな本だと思われがちですが、私が読んで受け取ったのは、少し違うメッセージでした。
今しかできないことを、今やる。
それができるかどうかで、人生の充実度は変わるという話です。
10年後には、できなくなっていることがある
資産形成について学んでいくと、人生を長い時間軸で考えるようになります。
今のこと、近い将来のこと、定年付近のこと、そして老後のこと。
その中で、ある事実に気づきます。
それぞれのライフステージには、やりたいことと、体力や年齢の理由でできなくなることがある、ということです。
海外旅行をするための体力も、親孝行をするための親の寿命も、有限なのです。
お金は、あとから取り戻せるかもしれません。でも、失われた時間と体力は戻ってきません。
生活リズムは、簡単には変えられない
ただ、正直に書いておきたいことがあります。
この手の話は、ともすると大きな行動の話になりがちです。会社を辞めて世界一周、といったような。
でも現実は、そうはいきません。
ライフステージが変わらない以上、生活のリズムを大きく変えるのは難しいからです。
仕事があり、子どもがいて、日々の生活がある。その枠組み自体は、そう簡単に動かせません。
だから私がやっているのは、もっと地味なことです。
生活の枠組みは変えないまま、日常の行動の方を意識的に変える。それだけです。
抱っこできるのは、今だけ
たとえば、子どもを意識的に抱っこするようにしています。
抱っこは、10年後にはできません。
自分の体力的にも難しくなりますし、そもそも、させてくれない年頃になっているはずです。
手を繋ぐのも同じです。
今は当たり前にしていることが、ある時期を境に、二度とできなくなる。
そう考えるようになってから、抱っこや手繋ぎは「今しかできないこと」なのだと意識するようになりました。
会話を増やすことも、同じです。
お金も準備もいりません。ただ、今この瞬間にしかできないというだけです。
親とは、あと何回会えるのか
親についても、考え方が変わりました。
正直なところ、あと何回会えるのかというカウントダウンが、すでに始まっている気もしています。
だから、実家に帰ったときは、意識して親との会話を多くするようになりました。
日常的にも、LINEでのやり取りを増やしています。
家族のグループチャットに子どもの写真を送る。親の投稿に反応する。
大げさな親孝行ではありません。でも、回数を増やすことならすぐにできます。
旅行に連れて行くとか、何かを買ってあげるとか、そういうことばかりが親孝行ではないと思っています。
時間を有効に使うことに、お金は関係ない場合も多い
ここまで書いてきたことに、共通点があります。
どれもお金がかかっていない、ということです。
抱っこも、手を繋ぐことも、会話も、LINEも、一円も使いません。
限られた時間を有効に使うという観点で言えば、お金を使うかどうかは関係ないことも多いのだと感じています。
「DIE WITH ZERO」と聞くと、お金を使い切る話に聞こえます。
でも実際に大事なのは、お金をどう使うかより、今しかできないことに気づけるかどうかなのだと思います。
それでも、ケチらないと決めているもの
とはいえ、お金を使う場面もあります。
私がケチらないようにしているのは、旅行と、自分への投資です。
これまで何度も書いてきた通り、我が家の支出は予備費の枠の中で決まります。分不相応な高額旅行はしません。
ただ、その枠の中では、ケチらないようにしています。
旅行は、家族で同じ時間を過ごせる貴重な機会だからです。そして、子どもと旅行に行ける時期にも、終わりがあります。
もう一つが、自分がやってみたいと思ったことや、使ってみたいサービスへの支出です。
興味関心にも、賞味期限がある
なぜ自己投資をケチらないのか。
それは、興味そのものに期限があると思っているからです。
今やってみたいと思っていることは、数年後には興味がなくなっているかもしれません。
やってみようという気持ちが、そもそも湧かなくなっているかもしれない。
つまり、失われていくのは体力や時間だけではないのです。
やりたいと思う気持ちの方が、先に消えてしまうこともある。
だとすれば、今湧いている探究心は、それ自体がかなり貴重なものです。
だから私は、今しか湧かないかもしれないこの気持ちを、大事にしたいと思っています。
まとめ
「DIE WITH ZERO」は、資産を使い切るための本ではないと私は受け取りました。
今しかできないことを今やることで、充実した人生が送れるという話です。
海外旅行をする体力にも、親と過ごせる時間にも、限りがあります。
生活のリズムは簡単に変えられません。だからこそ、日常の行動の方を変えています。
子どもを抱っこすること。手を繋ぐこと。親との会話を増やすこと。
どれもお金はかかりません。時間を有効に使うことに、お金が関係ない場面は意外と多いのです。
一方で、旅行と自己投資はケチらないようにしています。
なぜなら、体力や時間だけでなく、やりたいと思う気持ちにも賞味期限があるからです。
資産形成は大事です。でも、貯めることが目的になってしまえば、本末転倒だと思っています。
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